宮崎を中心に住宅の新築・リフォーム、店舗づくりをおこなっている建築設計事務所 建図宮崎(けんとみやざき)

耐震性について

震災にも耐えたツーバイフォー

数々の大地震でもツーバイフォー住宅は強かった。多くの住宅が補修しないでも居住可能

東日本大震災でツーバイフォー住宅は居住に支障なし95%


▲画像は4mの津波に耐えたツーバイフォー住宅
(東北地方太平洋沖地震 石巻市)
平成23年(2011年)3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とした東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起きました。
この地震は我が国、観測史上最大のマグニチュード9.0、震度7で、東北から関東地方にかけての広範囲に、津波と強震よる人的・物的被害が多数発生し、震度5を超える余震が続いていました。

日本ツーバイフォー建築協会では、地震発生後1ヶ月半が経過した4月末に被災地のうち、まず仙台・石巻地域において会員会社がこれまでに供給したツーバイフォー住宅の現地調査を行い、その後、震度6弱以上の地域全域で供給された住宅について被害程度の「アンケート調査」を行いました。

今回は、地震動に加えて津波による被害があり、また、地盤崩壊による全壊、液状化による半壊、震度6弱を超える余震の影響があり、これまでの大地震と異なる結果でした。

調査対象住宅は20,772戸(平成23年7月28日現在)ですが、そのうち、当面補修をしなくとも居住に支障ない住宅は19,640戸で95%にあたります。津波による被害を除けば、当面補修をしなくとも居住に支障のない住宅は98%を占めており、阪神淡路大震災や新潟県中越地震でも判明したツーバイフォー住宅の高い耐震性が今回も実証されました。

報告会の資料はこちらへ

新潟県中越地震で全半壊ゼロのツーバイフォー住宅


▲高町団地内の地盤崩壊(新潟県中越地震)
平成16年(2004年)10月23日午後5時56分、新潟県中越地方を中心に、マグニチュード6.8、最大震度7の大地震が襲いました。
発生が想定されていなかった地域での大地震であり、あらためて日本列島が地震列島であることを実感させられました。

この地震は本震の後、最大震度5弱以上の余震が15回も短時間に発生したことも、大きな特徴となっています。
このため家屋の被害は全壊・半壊が約18,800棟、一部損壊を含めると全部で約9万棟もの住宅が損壊の被害に遭ったといわれます。
そして、ここでも「日本ツーバイフォー建築協会の調査」によるとツーバイフォー住宅の大きな被害は報告されていません。

阪神・淡路大震災にも耐えたツーバイフォー住宅


▲画像は震度7の激震に耐えたツーバイフォー住宅
(兵庫県南部地震)
平成7年(1995年)1月17日午前5時46分、兵庫県南部を襲った阪神・淡路大震災。
震度7という近年まれにみる激震に加え、大都市の直下で発生した地震であったために、想像をはるかに超えた大惨事となってしまいました。

この地震による家屋の被害は、全壊約10万1,000棟、半壊を含めた一部損壊が約28万9,000棟以上(平成7年4月24日の自治省(現・総務省)消 防庁発表より)。
しかし、このような壊滅的な状況下でさえ、ツーバイフォー住宅に大きな被害はありませんでした。
「日本ツーバイフォー建築協会の調査」によると、被災地のツーバイフォー住宅のうち96.8%※がとくに補修をしなくても継続して居住可能な状態を保ったことがわかっています。
(※残り3.2%は、地盤の移動・液状化及び隣家のもたれかかりにより住宅の一部が損壊したものです。)
死者の約9割にあたる人が建物の倒壊による犠牲者といわれる阪神・淡路大震災。
このデータからも住まいの耐震性がいかに大切であるかわかります。
阪神・淡路大震災!そのときツーバイフォー住宅が家族を守ってくれた。
あの阪神・淡路大震災にも全壊・半壊はゼロだったツーバイフォー住宅。
当時お住まいの方々から、震災直後に寄せられたお電話やお手紙の抜粋をご紹介します。

ツーバイフォー住宅に助けられました
地震発生とともに、左右両隣のお宅は一瞬にして倒壊してしまったようですが、おかげさまで、私の家(ツーバイフォー住宅) は多少のヒビが入っただけで済んでいます。周辺の家はほとんど倒壊していて、再建築に使えるものがないくらい激しいダメージを受けているようです。悲惨な 状態のなか、ツーバイフォー住宅のみが5軒ほど残っていて、むしろ異様な光景です。 (神戸市須磨区K様)

築70年のツーバイフォー住宅も安全
私の家は大正13年に建築されたものですが、築70年以上も建っているにもかかわらず無事でした。
ここは阪神高速道路が倒壊した現場から、数百m南(海岸側)に位置しており、報道のとおり大きな被害を受けた地区なのですが、避難することもなく、建物は外壁にヒビが少し入ったり、ドアが開きにくくなったり、網戸が外れてしまったくらいで、構造は全く大丈夫でした。
(神戸市東灘区T様)

建築中の現場も避難所に
私の家はまだ建設中で、やっと外壁のモルタル仕上げと室内のボード貼りが完了した段階だったのですが、地震発生の際にはご近所のみなさんの緊急避難所として誘導しました。
残念ながら全壊してしまった方には、しばらく避難所として使っていただきました。
(神戸市灘区O様)

家族の安全を買った
大地の魔神が家を持ち上げ地面にたたきつけた。続いて魔神は両手で家を左右から押しつぶし引き裂こうと、これでもかこれで もかと、家も部屋もななめにゆがむほどいためつけた。夜が明けると隣家の豪邸は全壊してなくなっていた。
わが家は地面が大きく動いたので傾いてはいたが、家そのものは無傷でヒビ一つ入っていない。
これ程強いとは想像しなかった。
(6年前にツーバイフォーの家を建てた)あの時、実は家族の安全を買っていたことを知った。
(西宮市 五百旗頭真 神戸大学教授のコラムより)

釧路沖地震でツーバイフォー住宅は軽微な被害状況

平成5年(1993年)1月15日午後8時6分、発生した釧路沖地震(マグニチュード7.8、震度6)液状化現象による都市インフラの被害や斜面地崩壊による住宅への影響など大きな被害をもたらしました。
当協会では地震発生後、現地に有馬孝禮 東京大学助教授(当時)を団長に調査団を派遣し、その年の5月に報告をまとめました。
この地域は比較的にツーバイフォー工法が多く採用されている場所であります。被害を受けた住宅は造成 地などで、地盤の変動や擁壁の崩壊、盛土の滑動による影響によるもので、そのなかでもツーバイフォー工法の場合、上部構造が転倒傾斜したにも拘わらず、倒壊せず6面体の箱として残っていました。

注:地震に強いツーバイフォー住宅でも地震動や地盤変状などによって、壁紙にしわがよったり、少し裂け目が入ったり、基礎の仕上げがはがれたり、家具等の転倒による床材が一部傷つくことはありますので、その被害程度により専門家にご相談ください。

ツーバイフォーの家はなぜ地震につよいのか

面構造とダイヤフラム

「ツーバイフォー住宅は地震に強い」そういわれるのには理由があります。

6面体で支えるモノコック構造だから地震に強い

世界有数の地震国である日本において、住宅の「耐震性」はもっとも重要な基本性能です。日本でツーバイフォー住宅が着実に増えている大きな理由はここにあります。
床・壁・屋根が一体となったモノコック構造のツーバイフォー住宅は、地震の揺れを6面体の建物全体で受け止めて力を分散させます。地震力が一部分に集中することがないため倒壊・損傷がなく、地震に対して抜群の強さを発揮します。
揺れを面全体で受け止めるツーバイフォー
ツーバイフォー住宅と在来鉄骨軸組工法による住宅に、それぞれの建物の重さに比例した力を加えて、その伝わり方を比較したものです。色が黄・赤に近いほど負荷が大きいことを示します。
※それぞれの建物の重さに比例した力 (ツーバイフォー58.8KN、在来鉄骨軸組構造98.1KN)を加えて比較。
写真提供:日本2X4建築協会

●ツーバイフォー住宅(左)
枠組みされた木部分と構造用合板が「面」となって、
揺れの力を受け止め、分散・吸収していることがわかります。

●在来鉄骨軸組工法の住宅(右)
加えた力が柱や接合部などに集中。部分的に負担が
かかりやすい構造であることがわかります。

ダイヤフラム理論が水平構造の強さを証明

プラットホーム工法のツーバイフォーは床が強い
北米の伝統的な工法として発展してきたツーバイフォー工法の特徴として、構造耐力上主要な役割をなす床は、日本の伝統木造の 火打などと異なり、床下張材と根太材の組合せによって力を発揮します。
アメリカでは1930年代より床ダイヤフラムの設計方法が開始されて、その後の実験 検証、地震やハリケーンの経験、調査結果でその有効性が立証されてきました。
わが国においては昭和50年「小規模住宅の新施工法の開発」(建設省建築研究 所 昭和50年度総合技術開発プロジェクト)のなかで、構造上の安全性の確保と合理的な設計法の基礎資料が報告されています。

ダイヤフラム

床組や小屋組の水平荷重に対する構造形式の一つ。
床組の場合、面材と外周に配置された梁・桁などの横架材で構成され、ツーバイフォー工法では側根太がフランジとして曲げ応力を、また、面材がウェブとして せん断応力を負担する。
従って、この構造形式を採用しているツーバイフォー工法の水平剛性は非常に高いものとなっている。

3階建ての2X4住宅を実大振動実験してみました

三次元振動実験結果

当協会では、実物大住宅による耐震実験を重ね、ツーバイフォー耐震性向上のためのデータ収集に努めています。

3階建て実大建物でツーバイフォーの耐震性を検証しました。


▲2度にわたる加振後の実験建物。転倒防止策を
施していない家具は大きく移動したものの、
外壁および室内に大きな損傷は見られなかった。
この実験では、阪神・淡路大震災時に神戸海洋気象台で記録された地震波を、データに基づいて三次元的(横<X・Y>方向と 縦<Z>方向の揺れ)に再現しました。
神戸海洋気象台で記録された地動加速度※1である818gal※2(阪神・淡路大震災における最大地動加速度)で加 振したこの実験で、3階建てツーバイフォー住宅はほとんど損傷もなく、優れた耐震性能を証明しました。また協会で策定した家具の転倒防止策の効果も検証できました。

実験の様子はこちら
Windows Media Playerでご覧いただけます(4.3MB 1分9秒)

大規模な余震を想定し、さらに新潟県中越地震の地震波を加振

さらに続けて、大きな余震を想定して、記憶に新しい新潟県中越地震の際、川口町で観測された地震波(2,036gal)を実験建物に加振しましたが、もちろん倒壊等には至らず、高い安全性が確認されました。
※1 地動加速度は、地震の大きさの指標となるもので、地震による地表面での加速度を指す。単位はgal(ガル)で表示
※2 gal(ガル)は、加速度の単位。1gal=1cm/sec2

▲五十田博准教授
■特別インタビュー 3階建て振動実験を振り返って
今回の実験およびデータ解析をご指導いただいた信州大学の五十田博准教授を当協会技術部会長・河合誠が訪ね、実験の意義、これからの課題などについてお話を伺いました。
・地震被害調査を通じて木造の性能向上を実感
・3階建て振動台実験でも高性能が実証された
・今後は具体的な説明材料として倒壊限界の解析・検証を
・仕上げ材、金物の効果も今回の実験で検証
・実際の建物は、等級1でも阪神淡路級の地震にも耐えるはず
・地震動に関してはとにかく力で耐えることが重要
・変形性能に優れるツーバイフォーはさまざまな展開が期待できる